行政書士試験の合格体験記

私は、1993年(平成5年)の社会保険労務士試験に合格し、現在まで社労士として仕事をしていますが、思い立って、2017年から2018年まで行政書士試験にもチャレンジしました。

 

社労士試験は1回の受験で合格したものの、社労士試験とは、試験科目が全く異なるので、まさにゼロからの積み重ねでした。

 

そんな私の受験勉強から合格までの奮闘記を書いてみたいと思います。

 

最初は、勉強の要領が掴めず、特に、「民法」が全くと言っていいほど、覚えられませんでした。

 

覚えても、問題集で事例問題にあたると、とたんに分からなくなってしまう。

 

関係図を描いて法律関係を整理するとよい・・・と、頭では分かっていても、図の書き方が下手くそ過ぎて、自分で書いた図が自分で解読不能になる・・・。

 

民法は問題演習が苦痛で、半ば、1回目の受験までは、適当に流して勉強してました。

学校で講師に出された宿題(問題集を2~3回転やってくる)も、やらずに放置してました。

 

まったくやる気が起きず、1回目の受験(2017年試験)は、予想通りの不合格。

 

1回目の受験は、明らかに勉強不足なので、不合格でもそれほどショックはありませんでした。

 

しかし、周囲の人たちに、受験を公言していたので、さすがに2回目の受験は失敗したくない・・という思いがあり、「ちゃんと勉強しよう!」と、決意(?)しました。

 

ただ、事務所の仕事が忙しくて(言い訳です・・・)、学校に通うのは無理だと思い、「独学」することにしました。

 

市販の基本書と問題集を買い込んで、勉強を開始するも、7月ごろまでエンジンがかからず、

中途半端なままで時間が過ぎていきました。

 

8月に入ると、さすがにこのままではマズいと思い、直前対策講座だけは学校に通うことにしました。

 

決め手になったのは、「重要論点一日集中講義」という、独学者向けの講座を受講したことです。

 

この講座は、民法と行政法を、それぞれ1日ずつで学習するという講座です。

 

自分の頭の中で、混とんとなっていた知識が、この講座を受講したおかげで、コンパクトに整理され、一気に実力が向上しました。

 

 

学校の直前対策コースが開講されるまでは、この講座のテキストを何度も繰り返し、不足する情報は市販のテキストでフォローしました。

(問題演習は、まだこの段階ではほとんど手を付けていませんでした。まずは知識の充実が先だと思って・・)

 

教訓⇒「まずは「知識が重要!」 問題演習は覚えた知識が「問題でどのように問われるか」を体得するのに必要である。」

 

つまり、知識が頭の中で整理されず、あいまいなままで問題演習をしても、効率的ではない・・・と思います。

 

さすがに、9月に入ると、試験まであと2カ月しかないので、ここでようやくエンジンが架かりました。

 

平日は、朝から夜まで仕事で忙しいので、勉強は土日に集中するしかありません。

 

家にいると、集中できない性格のため、「一人勉強合宿」と称して、近くのビジネスホテルに宿泊して勉強しました。

 

勉強の内容は、テキストを読み、ポイントを暗記し、一問一答式問題集を解く・・・というものでした。

 

しかも、勉強する科目は、全科目の中で最も配点の高い「行政法」と「民法」だけに絞りました。

「憲法」は、極端に言えば、一夜漬けでもイケる自信はありましたし、「商法・会社法」は捨てるつもりでした。

 

 

勉強方針は、私の場合、どちらかというと問題演習よりもテキストでポイントを覚える作業に時間を費やしました。

これは、後になって、正解だったと思いました。

 

学校は、資格の大原・大宮校の直前対策講座を受講しました。

 

学校での1回目の全国統一模試では、初めて、(300点満点中)200点超えを果たし、大いに自信いなりました。(180点で合格です。)

 

 

2年目の勉強で、特に心掛けたのは、記述式の予想問題に意識して数多くあたったことです。

これが、結果として本番で功を奏しました。

 

特に、本試験2週間前に、アマゾンでみつけたkindle版の行政書士記述式予想問題集を、やりこんだことが、今回の合格に直結したと思います。

そう! 実は、この問題集に載っていた予想問題の論点が、ズバリ的中していたのです。

 

本試験では、記述式が3問出題されます。

おかげで私は、3問中3問とも、ほぼ答えを書くことができました。

これだけで、なんと、60点を確保できるのです。

 

しかし、実は1問だけ、大失敗をやらかしました。

 

今回の本試験は初回受験の昨年よりも、数倍緊張感がありました。

 

プレッシャーというのでしょうか、

 

「今回で(受験を)終わらせたい・・・」という気持ちが強く、失敗は許されないという気持ちが高まっていました。

 

しかし、本番には、魔物が棲んでいるものですね・・・。

 

 

行政書士試験では、択一式の他に、記述式問題が3問出題されます。

 

1問あたり20点の配点で、3問合計で60点満点の配点が付きます。

 

行政書士試験全体で300点満点ですから、記述式だけで、なんと全体の20%のウェイトがあるのです。

 

私は、今回の記述式は、3問とも正解できたのでは・・・という自信があったのですが・・・。

 

学校の解答速報をみて、一つ大失敗をやらかしたことが分かったのです。

 

それは、

 

記述式3問目で出題された民法の「贈与契約」に関する問題でした。

 

失敗というのは、最初に書いた答えを書き直してしまい間違った答えにしてしまう・・・という、試験ではよくある典型的な失敗でした。

 

「・・・撤回できる。」とすべきところを、「・・・取消すことができる。」と書いてしまったのです。

 

確かに、最初に私が書いた答案は「撤回」だったのですが、問題文中にあった「遡って、なかったことにしたい・・・」という文言に引っ掛かってしまい、答えを書き直してしまったのです。

 

択一式の点数だけでは、到底合格点には達しないことが分かっていたので、これは非常に落ち込みました。

 

他の2問はほぼ正解だったのです。

 

しかし、他の2問がたとえ満点であっても合格点には若干足りず、悶々としてしまいました。

 

 

 

合格発表で、自分の受験番号をみつけたときは、とてもホッとしました。

 

得点は、なんと180点で、ギリギリの合格点でした。(笑)

やはり、記述式の得点が功を奏したようです。

 

ただ、反省点としては、択一式の得点がよくなかったことです。

行政書士試験を攻略する王道は、やはり記述式よりも択一式で得点を稼ぐことです。

私は、運よく合格できましたが、これをお読みの受験生の方は、まずはしっかり択一式で得点を稼げるように、問題演習をいっぱいやってください!

 

 

行政書士試験受験に際してお世話になった方々に、心よりお礼申し上げます。

 

本当にありがとうございました。

 

(2018年度試験合格)